業務システムやサイトの開発を外部に頼むとき、複数の会社から見積もりを取って比べることがあります。ところが、金額が大きく違い、どれが妥当か判断できないことがよくあります。
結論から言うと、金額の差が生まれる理由の1つは、依頼の内容があいまいで、会社ごとに前提が違うことです。見積もりを依頼する前に、自社で内容を整理しておくことが大切です。
この記事では、見積もりを依頼する前に整理しておきたいことと、見積もりを比べるときの見方を解説します。
依頼の前に整理しておきたい5つのこと

1. 目的
何のために作るのかを、1〜2文で書きます。「受注の入力を1日1時間減らす」のように、変えたいことが分かる書き方にします。
目的がはっきりしていれば、開発会社から、目的に合う別の方法を提案してもらえることもあります。
2. 業務の流れと例外
今の業務の流れを、誰が、何を見て、何をするかの順に書き出します。あわせて、例外の扱いも書きます。
- 金額や内容を後から変更するときの手順
- 承認を差し戻すときの手順
- 月末や年度末だけの作業
例外が書かれていないと、会社によって作る範囲の想定が変わり、金額の差になります。
3. データと連携
今使っている表計算ソフトや、ほかのシステムのデータをどう扱うかを書きます。
- 移す必要のあるデータの種類と件数
- 連携が必要なシステムと、その方法(ファイル、APIなど)
- データの持ち主と、更新する人
4. 使う人数と運用
同時に使う人数、使う場所(社内、外出先、スマホ)、使う時間帯を書きます。止まったときの影響や、誰が問い合わせを受けるかも決めておきます。
5. 予算と期限
予算の上限と、いつまでに使い始めたいかを伝えます。予算を伝えると不利になると考えがちですが、伝えないと、会社ごとに想定する規模が変わり、比べにくい見積もりになります。
見積もりを比べるときの見方
整理した内容で依頼しても、見積もりの中身は会社によって違います。金額の合計だけでなく、次の点をそろえて比べます。
| 見ること | 確かめる内容 |
|---|---|
| 含まれる工程 | 要件の整理、設計、テスト、データの移行、操作の説明が入っているか |
| 前提と除外 | 見積もりの前提と、含まれないものが書かれているか |
| 公開後の費用 | 保守、サーバーやサービスの利用料、変更の依頼の費用 |
| 進め方 | 途中で画面を確かめる機会があるか、変更をどう扱うか |
| 体制 | 誰が担当し、どう連絡を取るか |
安い見積もりは、工程や公開後の費用が含まれていないことがあります。分からない点は、遠慮せずに質問しましょう。質問への答え方も、相手を選ぶ判断材料になります。
最初の一歩は、目的と業務の流れを1枚に書くこと
まずは、目的と今の業務の流れを、A4の1枚に書いてみましょう。
- 何のために作るのかを1〜2文で書く
- 今の業務の流れを、誰が何をするかの順に書く
- 例外の扱いを、思いつく分だけ書き足す
この1枚があるだけで、開発会社との最初の打ち合わせが具体的になります。
まとめ
開発の見積もりを比べる前に、目的、業務の流れと例外、データと連携、使う人数と運用、予算と期限を整理しておきましょう。前提がそろうと、見積もりを比べやすくなります。見積もりは金額の合計だけでなく、含まれる工程や公開後の費用まで見て判断します。
社内に相談できる人がいない場合の進め方は、社内にIT担当者がいない会社のDXの進め方で解説しています。作る前に画面で要件を確かめる方法は、業務システムを作る前に、動くデモで要件を確かめるも参考にしてください。




