申請書を回したのに、どこで止まっているのか分からない。規程に合っているかの確認が、承認者や経理に集中している。経費精算では、こうした悩みがよく聞かれます。
ワークフローのツールを入れる前に、承認の決まりを整理しておくことが大切です。結論から言うと、誰が、どの条件で、何を確認するかを先に決めることで、ツールの設定も運用も楽になります。
この記事では、承認の流れを見直すときに決めておきたい5つの点を解説します。内容は、経費の申請から仕訳までを動かすデモを作ったときに整理した考え方と、一般的な注意点をまとめたものです。
経費精算の流れを整理する
経費精算は、申請、承認、経理の確認、仕訳の順に進みます。それぞれの段階で、誰が何を確認するかを分けます。

上長が見るのは「業務に必要な支出か」で、経理が見るのは「勘定科目や処理が正しいか」です。役割を分けておくと、同じ確認を2回行う無駄が減ります。
決めておきたい5つのこと
1. 承認の経路を何で分けるか
承認の経路は、金額や費目で分けるのが一般的です。例えば「一定の金額以上は部長の承認も必要」と決めると、少額の申請は早く進みます。
金額の基準は、社内の決裁の規程に合わせます。基準が多いほど運用が複雑になるので、最初は少ない区分で始めることをおすすめします。
2. 規程の確認を誰が行うか
上限額、申請の期限、領収書の有無などは、機械で確認できます。
- 費目ごとの上限額を超えていないか
- 利用日から期限内に申請しているか
- 領収書や登録番号の記載があるか
- 同じ日付、金額、支払先の申請がないか
機械が確認すれば、承認者は内容の判断に集中できます。
3. 違反したら止めるか、警告にするか
規程に合わない申請を、すべて機械で止めるのがよいとは限りません。やむを得ない事情で上限を超えることもあるからです。
今回のデモでは、日付や金額などの必須項目の不足だけを申請不可とし、規程の違反は警告として承認者に見せて、人が判断する形にしました。どこまで止めるかは、社内の統制の考え方に合わせて決めます。
4. 権限をどう分けるか
承認の仕組みでは、誰が何をできるかが重要です。
| 決まりの例 | 目的 |
|---|---|
| 自分の申請は承認できない | 不正やミスを防ぐ |
| 上長は自部門の申請だけ | 内容を判断できる人が承認する |
| 順番を飛ばして承認できない | 経路を守る |
画面のボタンを隠すだけでなく、処理の側でも同じ決まりを確認する必要があります。ボタンが見えないだけでは、操作の経路によっては権限のない処理が通ってしまうためです。
5. 履歴をどう残すか
誰が、いつ、何をしたかの記録は、確認や監査のときに必要です。差し戻しの理由も一緒に残しておくと、同じ間違いを減らせます。
履歴は後から書き換えられない形で残します。また、領収書の保存には電子帳簿保存法などの決まりが関わります。電子で保存する場合は、国税庁の案内を確認し、顧問の税理士にも相談することをおすすめします。
最初の一歩は、止まっている場所を確認すること
ツールを選ぶ前に、直近の申請を10件ほど見直してみてください。
| 確認すること | 例 |
|---|---|
| 止まっていた段階 | 上長、部長、経理のどこで待ったか |
| 差し戻しの理由 | 領収書の不足、費目の誤りなど |
| 例外の処理 | 規程にない判断をした申請 |
差し戻しの理由が同じものばかりなら、申請の画面や説明を直すだけで改善することもあります。業務の見直しの進め方は、業務改善はツール選びから始めないでも解説しています。
まとめ
経費精算の承認は、経路、確認する人、違反の扱い、権限、履歴を先に決めることで整理できます。機械で確認できることは機械に任せ、判断は人が行う形にしましょう。
実際の動きは、経費精算と承認のワークフローデモで試せます。題材は架空のサンプルで、ログイン不要で、操作する人を切り替えて確認できます。




