出社する人が減り、空いている席が目立つようになると、フリーアドレスを考える会社が増えます。社員が固定の席を持たず、その日に使う席を選ぶ働き方です。

ただ、席を減らすだけで始めると、「座る席がない」「誰がどこにいるか分からない」といった不満が出やすくなります。結論から言うと、導入する前に、席の数と探し方のルールを決めておくことが大切です。

この記事では、導入前に決めておきたいことを順に解説します。

決めておきたい5つのこと

出社する人数から席の数を決め、予約の要否、所在の見える化、部門の近さ、設備と場所の分け方の順に決める流れの図

1. 席の数

席の数は、全社員の数ではなく、出社する人数から決めます。曜日によって出社する人数が違うなら、多い曜日に合わせます。

出社の記録がなければ、数週間、出社した人数を数えてから決めます。少し余裕を持たせておくと、来客や一時的な増員にも対応できます。

2. 席を予約するかどうか

予約のない方式は手軽ですが、出社する人数が席に近いと、席を探す時間が増えます。予約する方式なら、出社前に席が決まります。

方式 向いている場合 注意すること
予約なし 席に十分な余裕がある 席の確保のために早く出社する人が出る
予約あり 出社する人数が席に近い 予約したのに来ない席が出る

予約する方式では、予約したまま来ない席を、一定の時間で空きに戻すルールも決めておきます。

3. 誰がどこにいるかの見える化

固定の席がなくなると、話しかけたい人がどこにいるか分からなくなります。電話の取り次ぎや来客の案内にも困ります。

予約の記録や在席の状況を、フロアの図で見られるようにしておくと探しやすくなります。会議中か、在宅か、外出かも分かると、無駄に探し回らずに済みます。

4. 部門の近さ

同じ部門の人が離れて座ると、相談や情報共有がしにくくなります。部門ごとに座るエリアの目安を決めておく方法があります。

席を探すときに、同じ部門の人の席に近い空席を勧めると、自然と近くに集まります。部門の人数が多い場合や、仕事の内容が席に強く結び付く場合は、一部だけ固定席を残す方法もあります。

5. 設備と場所の分け方

モニターが必要な人、電話やWeb会議が多い人、集中したい人で、合う席は違います。席を同じ作りにせず、設備や使い方でエリアを分けると選びやすくなります。

  • モニター付きの席
  • 会話がしやすい交流のエリア
  • 話し声を控える集中のエリア

席を探す画面で、こうした条件で絞り込めるようにしておくと便利です。

導入した後に確かめること

導入した後は、席の使われ方を定期的に確かめます。

  • 席が足りなくなった日がないか
  • 使われていない席やエリアがないか
  • 予約したまま来ない席が多くないか

ルールを決めて終わりにせず、使われ方を見て直していくと定着しやすくなります。

最初の一歩は、出社した人数を数えること

まだ出社の記録がなければ、まず2週間ほど、毎日出社した人数を数えてみましょう。

  1. 曜日ごとの出社の人数を出す
  2. 一番多い曜日に、今の席の何割が使われているかを見る
  3. 部門ごとの出社の人数も見て、座るエリアの目安を考える

数字があれば、席を減らせるか、予約が必要かを判断しやすくなります。

まとめ

フリーアドレスは、席の数と探し方のルールを先に決めてから導入しましょう。席の数、予約の要否、所在の見える化、部門の近さ、設備と場所の分け方を決めておくと、「座れない」「見つからない」という不満を減らせます。

席の予約、同じ部門の席に近い空席の提案、在席の表示は、屋内GISによる席と会議室の最適化デモで試せます。10階のフリーアドレスと、8階と9階の固定席を組み合わせた、架空のオフィスを題材にしています。会議室の使い方は、会議室が足りないと感じたら、増やす前に見直したい3つのことで解説しています。