「会議室がいつも埋まっていて、予約が取れない」という声が増えると、部屋を増やすことを考えがちです。ただ、部屋を増やすには、広さも費用もかかります。
結論から言うと、増やす前に、予約の記録から使い方を確かめることが大切です。部屋の数は足りていても、使い方の偏りで足りなく見えていることがあります。
この記事では、見直したい3つのことと、予約の記録を使った確かめ方を解説します。
足りない原因を、利用率と充足率で切り分ける
まず、部屋ごとに2つの値を出します。どちらも、予約の記録から計算できます。
| 値 | 計算 | 分かること |
|---|---|---|
| 利用率 | 会議の時間の合計 ÷ 営業時間 | 部屋がどれだけ使われているか |
| 充足率 | 参加人数 ÷ 定員(会議の時間で平均) | 部屋の大きさが人数に合っているか |
充足率は、会議ごとに参加人数を定員で割り、会議の時間で重み付けして平均します。参加人数には来客も含めます。長い会議ほど、部屋を長く占めるからです。
例えば、営業時間が9時間で、会議が合計7時間入っている部屋の利用率は約78%です。8人部屋を2人で使う会議ばかりなら、充足率は25%です。8人部屋で、8人の会議が1時間、2人の会議が3時間なら、(100% × 1時間 + 25% × 3時間)÷ 4時間で、充足率は約44%です。数字は説明のための例です。

結果は、図の3つに分けて考えます。
- 利用率が高く、充足率が低い: 部屋は足りていても、大きすぎる部屋が少人数で使われています。部屋を増やす前に、使い方を見直す余地があります
- 利用率も充足率も高い: 部屋が人数に合った使い方で埋まっています。使い方の見直しでは余裕が生まれにくいので、部屋を増やすことを検討します
- 利用率が低い: 足りないと感じていても、記録の上では空いています。空いているのに予約が取れない状態です。予約したまま使われない枠や、長めに押さえた予約がないかを確かめ、予約の運用を見直します
この記事では、主に1つ目の場合に見直したいことを解説します。
見直したい3つのこと
1. 人数に合わない部屋の使い方
少人数の打ち合わせが大きな部屋を使うと、大人数の会議が入れなくなります。予約のときに空いている部屋を選ぶだけでは、この偏りは起きやすくなります。
- 予約の画面で、定員と人数の差を表示する
- 定員が人数より大きく上回るなら、小さな部屋を勧める(例えば、定員が人数の3倍以上など、目安は自社の部屋の構成に合わせて決める)
- 1対1の面談など少人数の会議は、小部屋や席での打ち合わせに寄せる
2. 来客用の部屋の扱い
来客用の応接室を、空いているからと社内の会議で使うことがあります。社内の会議が先に予約すると、来客の予定が入れられなくなります。
来客用の部屋を社内の会議に一切使わせない方法もありますが、空いている時間がもったいないこともあります。来客を優先し、社内の会議には直前まで空いていれば使う、といった決め方もできます。決めたルールは、予約の画面で分かるようにしておきます。
3. 会議と会議の間の移動
会議が続く人が、離れた部屋やほかの階へ休憩なしで移動すると、次の会議に遅れがちです。遅れた会議は延び、次の予約にも影響します。
連続する会議は、近い部屋をまとめて取るように勧めます。部屋を選ぶときに、参加者の席からの距離や、前の会議の部屋からの移動を考えると、遅れを減らせます。
1日の割り当てを見直すときの考え方
部屋の割り当てを見直すときは、「移動の少なさ」と「部屋の大きさの合い方」が両立しないことがあります。全員の席に近い大部屋を選ぶと移動は減りますが、部屋の空きが増えます。
どちらを優先するかは、会社によって違います。案をいくつか作り、数字を比べて決めると、関係者も納得しやすくなります。
最初の一歩は、1週間分の予約を集計すること
予約の仕組みに記録があれば、まず1週間分を表計算ソフトに出してみましょう。
- 会議ごとに、部屋、時間、来客を含む参加人数を出す
- 部屋ごとに、利用率と充足率を計算する。充足率は、会議ごとの「参加人数 × 時間」の合計を、「定員 × 会議の時間の合計」で割ると求められる
- 利用率が高く、充足率が低い部屋の会議を確認する
参加人数が記録されていなければ、予約に人数を入れてもらうところから始めます。
まとめ
会議室が足りないと感じたら、増やす前に、利用率と充足率で原因を切り分けましょう。人数に合わない部屋の使い方、来客用の部屋の扱い、会議の間の移動の3つを見直すと、今の部屋のまま余裕が生まれることがあります。
部屋ごとの利用率と充足率の表示、部屋の提案、1日の割り当ての見直しは、屋内GISによる席と会議室の最適化デモで試せます。題材は架空のサンプルで、ログイン不要で操作できます。業務の見直しの進め方は、業務改善はツール選びから始めないも参考にしてください。




