希望休を集めて、人数が足りるように並べ、誰かの都合が変わるたびに組み直す。シフト作成は、毎月多くの時間がかかる作業です。

自動化の候補になりやすい作業ですが、ツールを入れるだけでは現場で使える表にならないことがあります。結論から言うと、条件を「必ず守るもの」と「できるだけ守るもの」に分け、最後は人が確認する形にすることが大切です。

この記事では、シフト作成を自動化する前に整理したいことを解説します。内容は、デイサービスの月次業務を題材にしたデモを作ったときに整理した考え方と、一般的な注意点をまとめたものです。

条件を2種類に分ける

シフトの条件をすべて同じ重さで扱うと、条件が多い月に表が作れなくなります。人員が足りない月は、どれかの条件を緩めるしかないからです。

シフトの条件を、希望休や労働時間の上限などの必ず守る条件と、公休の数や負担の平準化などのできるだけ守る条件に分けた図

必ず守る条件を満たせないときは、表を無理に完成させず、どの日の何が足りないかを示します。不足を隠さないことで、人の手配や利用枠の調整といった判断ができるようになります。

自動化の前に確認する4つのポイント

1. 担当者の頭の中の条件を書き出す

作成者が無意識に守っている条件は、意外に多くあります。

  • この2人は同じ日に休ませない
  • この人は月曜の朝だけ入れない
  • 土曜は経験者を1人入れる

こうした条件が書き出されていないと、自動で作った表を見て「使えない」と感じることになります。まずは直近の数か月のシフトを見て、手で直した理由を書き出します。

2. 法令や基準の確認を組み込む

労働時間や休憩、休日には、労働基準法の決まりがあります。

項目 内容の例
労働時間 法定労働時間の範囲か、変形労働時間制の総枠に収まるか
休憩 6時間を超える勤務は45分以上、8時間を超える勤務は60分以上
休日 毎週少なくとも1回

業種によっては、これに加えて配置の基準があります。例えば介護事業所では、職種ごとに必要な人員の基準が定められています。基準の内容は事業の種類や規模で異なり、自治体の解釈が必要な場合もあるので、指定権者や社会保険労務士への確認が欠かせません。

確認を人の目だけに頼ると、変更のたびに見直す手間がかかります。自動で確認し、問題がある箇所だけを表示する形にすると、確認の負担が軽くなります。

3. 人による働き方の違いを持たせる

常勤、パート、派遣では、確認する条件が変わります。

  • パートの週の上限時間や、本人が希望する収入の上限
  • 契約で決まっている勤務時間帯
  • 担当できる職種や資格

勤務形態ごとの違いを条件として持たせておくと、月の途中で「あと何時間働けるか」も確認できます。

4. 作成後に人が直せるようにする

自動で作った表は、そのまま使えるとは限りません。人が1か所を直したときに、その場で条件を確認し直せる形にします。直せない仕組みにすると、結局は表計算ソフトに戻ってしまいます。

シフトだけで終わらせない

シフトは、勤怠、人件費、売上につながる情報です。予定のシフトと実際の打刻の差から残業を判定する方法は打刻から残業代を判定するときに確認したいことで、売上や粗利までつなげる考え方はシフトから粗利と財務諸表までをつなげて見るで解説しています。

最初の一歩は、手で直した理由を書き出すこと

ツールを選ぶ前に、先月のシフトで次の点を確認してみてください。

確認すること 例
手で直した箇所 誰と誰を入れ替えたか、その理由
足りなかった日 何の職種が、何時間足りなかったか
作成の時間 集める、作る、直す、それぞれの時間

業務の手順が1人に集中している場合は、属人化した業務を標準化する進め方も参考にしてください。

まとめ

シフト作成の自動化は、条件の整理から始まります。必ず守る条件とできるだけ守る条件を分け、法令や基準の確認を組み込み、最後は人が直せる形にしましょう。

実際の動きは、デイサービスの月次業務デモで試せます。題材は架空のサンプルで、ログイン不要で操作できます。